つきのくに

「罪を償う?」


「うん。だって海ちゃんは私のせいで死んだのでしょう?
私がその罪を背負わなければならないのは当然だわ。」

「ちょっと待て。それは違う。何を勘違いしているか知らないけど海はお前のせいで死んだんじゃない。」


・・・・・・え。
心臓が、ドクリ大きなと音を立てる。
冷えた血液が心臓から体中へ送られているみたいだ。

「嘘。」

「嘘じゃない。」


「でも、周りの人は皆言っていたわ。
私が殺してしまったからショックを起こして、記憶を失ったんだって。」

「違う。海が死んだのは単純に事故だったんだ。
足を滑らせて崖から落ちたんだ。」


「嘘!!」
「本当だ。」


「じゃあ、何で周りの人にそう言わなかったの!?

じゃあ、何で私のことをあんなに避けたりしていたの?」



私は、苦しかった、寂しかったよ。
何で、何で?

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