つきのくに


「じゃあ、隼人は私のこと嫌いなんじゃないの?」


「ちげえよ。嫌ってなんかない。
でも、お前が俺のせいでとやかく言われるならかかわらないほうがいいと思ったんだ。」

「私は、知らない人に色々とでたらめな想像を噂されるより、隼人が私と話してくれないほうが悲しかった!!
しのぶちゃんとは話すのに、私のことを見かけたら嫌な顔になる隼人を見るたび悲しかった!!
ずっとずっと悲しかったよ。」




涙があふれる。
じゃあ、私が隼人を見るたびに悲しくなっていたのは何だったの?
じゃあ、あんなに泣いたのに何も意味がなかったの?




「・・・・・・・・・ごめん。
俺が悪い。
全部お前のためだと思ってやってたんだ。」


< 74 / 97 >

この作品をシェア

pagetop