つきのくに

「待ってください。
誰にも知らせないで。特に、あなたの家にもいるある人々には。」
「どういうことだい。」

「錫子がいなくなったんです。」

「錫子ちゃんが？」
「隼人さんとあまり懇意にお付き合いをするなといってすぐの事だったので、もしかして・・・・・・・・」

「分かった。すぐに信頼の出来る口の堅いものに隼人を探させよう。」

「ええ。私もうどうしていいか。
錫子が桜のようにもし・・・・・」

「大丈夫。
錫子ちゃんは桜ちゃんとは違う。隼人も。そんなに考えなしに行動をするような子達じゃないだろう。

それに僕らとも違うんだ。
大丈夫。きっと帰ってくる。」

「そうかしら。」
「そうだ。小百合。信じて待っていよう。」