つきのくに
シャンシャンシャンシャン。
「さすがに疲れたね。」
「・・・・そうだな。」
夜の森は、静かすぎて怖い。
私たち以外の何者も居ないのかと思ってしまうほど。
「この森ってさ、野犬とか熊とか確かいるよね?」
「不吉なこと言うなよ。
口に出したら来るってよく言うじゃねえか。」
「そうだね。ごめん。」
シャンシャンシャンシャン。
「ねえ、隼人。
隼人は海ちゃんに会ったら何を言うの?」
「・・・・・・・・・・お前には言わねえ。」
「そっか。」