つきのくに
あの日いえなかった言葉の続き。

ありがとう。海ちゃん。

悲しいけど、寂しいけど、お別れだね。

私の中の海ちゃんも解放してあげよう。
作り上げた虚像じゃなくて、これからは、思い出を懐かしんであげよう。







「海、俺遠回りしたけど、守るよ。錫を。
約束する。」




そう、隼人が言った。

涙が止まらない。

その瞬間、

『ばいばい。』

そう、聞こえた気がした。






「ばいばい。海ちゃん。
ばいばい。」



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