つきのくに
「隼人、それはお前一人の考えで決めていいような事じゃないだろう。」
ほら、やっぱりそう言われるじゃない。
「錫子ちゃんはどう思っているのかな。」
隼人とは全然似ていない、優しい目をして隼人のおじいさんは、私に話を振ってきた。
え?私?何で私?
一人が決めていい事じゃないって、隼人の親戚や御三家の人たちが決めるからってことじゃなくて?
そりゃあしたいよ!!したいにきまってるよ!!
でも、
「私はしたいですけど・・・」
私がそういうのを聞いて、隼人のおじいさんはゆっくりと微笑んだ。
自信たっぷりの顔で。
この顔、隼人とそっくりだ。
いや、隼人がそっくりなのかな。