つきのくに
「そう思うのなら、二人ともがんばって。
二人でがんばって、月ノ宮の人を納得させないとね。」
がんばれば納得させられるものなのかな?そんなわけないと思うけど。
でも、この人が言うと不思議に説得力がある気がする。
「何を言っているのですか。そんな事許されるはずがないでしょう。」
おばあちゃんがこの雰囲気を壊すように言った。
やっぱりそうだよね。
「私は許しません。許せません。」
「小百合さん、でも、皐月神社の当主が月宮家当主と結婚してはいけないと言う決まりはない。」
「ですけど!!ですけれど、それは当然過ぎて決まりにするほどのことでもなかったからです。
結婚なんて言おうものなら、また色々といわれて傷つくのは錫子なんですよ。」
おばあちゃん。
私のことそんなに考えてくれていたんだ。皐月神社が一番大事なのかと思ってた。
私のことをちゃんと大切に思ってくれていたんだ。