つきのくに
「もし、それを乗り越えられないのなら、二人は結婚をあきらめるしかないね。
それに、私だって納得したわけじゃない。若い二人が言うことなんてすぐに変わってしまうからね。
最低、二人が大学を卒業するまで、辛抱強く待てるのなら、私は認めよう。」

「出来るだろ。」

突然、隼人が言った。

「錫と二人一緒なら。」




隼人王子もそういってることだし、きっと出来る。

だって、隼人と私今同じ気持ちだもの。


一緒なら、何だって出来る。
二人、一緒なら。




どんな、茨の道だって、どんなに遠回りしたって、隼人とだったら何だっていい。
一緒にいられるのならば何だって。



「おばあちゃん。私は、隼人と結婚します。」



「別に、いいじゃない。お母さん。
若い二人ががんばるって言っているんだから、見守ってあげるのが、大人の役割だわ。」




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