【短編】クリスマス*ガーデン
不意に、風の音が
まったくしなくなったことが
気になった。
「静か、ね?」
「そうだ、ね」
「……」
「……っ!!」
克巳は、一度座った長椅子から弾かれるように、立ち上がった。
そのまま窓の雨戸を開けて、外を確認する。
「今夜は、満月だったんだ?」
「どうしたの?」
「……」
克巳は、窓の外を見つめたまま
しばらく固まっていた。
「克巳、くん?」
不意に
克巳が私を見つめる。
「……」
「どうか、したの?」