【短】聖なる夜を、君と。
聖なる夜を、君と。
車が行き交う夜道。
冷たい雨が降りしきる中、私は傘を差しながら歩く。
制服の上に着たグレーのカーディガンに、雨が染み込む。
ふと顔を上げると、目の前には同じ制服を着たカップル。
無言のまま、微妙な距離間で歩いている。
でも、2人とも幸せな雰囲気に包まれていた。
―――手、繋げばいいのに。
そんなことを思いながら、角を曲がった。
ちょうどその時、彼女の手を取る、彼の姿が見えた。
街は、もうすぐクリスマス。
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