【短】聖なる夜を、君と。
街は、クリスマス一色。
カップルで賑わう、イルミネーションだらけのショッピングモール。
おしゃれなショーウィンドーに、彼と手を絡める私の姿がうつる。
「どこ行きたい?」
今日の彼は、口癖のようにそう言う。
どこでもいいよ、なんて言ってみるけれど、どこに行こうかと悩んでいる彼が、なんだか可哀想で、映画館に行きたい、なんて言ってみた。
「クリスマス限定だって!食べる?」
彼はそう言って、キャラメル色のポップコーンを指差した。
私が頷くと、彼は店員に『ポップコーン2つ』と言って、お金を払ってくれた。
嬉しそうに、私にポップコーンを差し出す彼を見ていると、何だか不思議な気分だった。