【短】聖なる夜を、君と。


「んっ…」


彼の一声に、慌てて手を引っ込めた。


自分の行動に驚いた。

もう少しで、彼に触れてしまうところだった。


彼は、あくびをしながら、大きく伸びをした。

そして、目の前に立っている私に気付くと、目を大きく見開いた。


「のっ、乃愛ちゃん…!?」


彼は、いきなり立ち上がり、大きな声を出した。

その反動で、ガターン、と椅子が倒れた。


「そうだけど…」


胸は、高鳴る。

それとは裏腹に、あたしはまた“クールな乃愛”を演じる。



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