キレイナキオク〜感謝の気持ちは忘れない〜
高校に進学する時はかなり悩んだ。


由美のそばにいてあげたい。

一緒にいたい…。


商業高校を選んだ由美の後を追い、私も進路希望を商業高校にした。

でも、由美は反対した。


『お父さんの後継ぎたいって言ってなかった?本当は建築科行きたいんじゃないの?』


由美にはかなわないよ…。

正直、建築科に行きたいと思っていた。

由美と一緒にいたいことを話したら、由美は私の背中を押すように言った。


『アキの気持ちだけで嬉しい。離れたからって崩れるような絆じゃないよね、うちら。私は一人で大丈夫だよ。それより…夢から離れちゃうアキを見る方がよっぽど辛い…』
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