キレイナキオク〜感謝の気持ちは忘れない〜
それからというもの、花村からの電話は毎日のようにかかってきた。


電話がかかってくるタイミングはあまりにも皮肉だった…。



親からの虐待を避けるために、夏休みでもアキと遊ぶ毎日。

渡邉家は門限が22時。

街中から家が遠くて、アキとは21時にはお別れしなきゃいけない。


「また明日ね!」

「バイバイ…」


アキと別れて、10分ぐらい歩くとケータイが鳴る。


それが、花村から。


家に帰りたくないから…その場で立ち止まって電話に出る。


家に帰ったって親に殴られるだけだし…ただなんとなく電話応対するようになった。
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