キレイナキオク〜感謝の気持ちは忘れない〜
「もしもし?今何してたぁ?俺今日久しぶりに服買ったんだよ!」


夏休みに入って三週間…。

今日も花村から電話。

多分…13回目の電話。

友達のような話の出だしに花村が教師で、私が生徒だということを一瞬忘れてしまう…。



「秋服買ったんだけどさぁ!さすがに高かったなぁ…」



秋服…?

秋。

秋…。


「アキ…」



気付いたら私の口がアキの名前を呟いていた。


「舞岡!?」



私…花村との電話のやり取りが始まって初めて喋ったよね…?



「『秋』がどうかしたか?」



大人ってこんなに暖かい人だったのかって思うぐらい…花村が優しい声で聞いてきた。
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