季節外れの雪
真樹「だから、その時、この人は優しい人なんだなって思ったんだ。理屈なんかじゃなくて、優しいって」

俊平「・・・」

真樹「そんな事言っても信じてもらえないよね。俊平君を傷つけたのは事実だし。本当
にごめんなさい」

俊平「もう、いいよ」

真樹「・・・」

○花屋(夜)

真樹とおばが働いている。

真樹「えー、一体どういう事なの?」

おば「突然、昨日仕事辞めたいって言ってきて。説得したんだけど」

真樹「でも、どうして?」

おば「それが分からないのよ。理由を聞いても、ただ辞めたいの一点ばりだし」

真樹「そう」

おば「真樹ちゃん、何か知らない?最近、仲良さそうだし」

真樹「・・・私のせいかも。私、無神経だから、色々傷つけちゃって」

おば「まだ、この間の事気にしてるの?それぐらいで、仕事辞めたりしないわよ」

真樹「で、でも」

おば「大丈夫よ。何日かしたら、ケロッとした顔で戻って来るわよ」

真樹「・・・私、行ってきます」

おば「行くって、ドコに?」

真樹、急いで店を出ようとする。

真樹「俊平君のトコロ」

おば、真樹を見送る。
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