季節外れの雪
○土手(夜)

真樹、当然出て来たので、コートなどの上着を着ていない。

季節外れに結構寒い。

真樹、走っているが、息を切らせて、その場にしゃがんでしまう。

真樹「私、何てバカなんだろ。俊平君の家、知らないよ。寒い」

真樹、寒さで少し震える。

その時、季節外れの雪が降って来る。

真樹「雪か。どうりで寒いわけだ」

真樹、立ち上がり、夜空を見る。

ふいに俊平の声がする。

俊平「そんな格好じゃ、風邪ひくぞ」

真樹、声の方を振り向く。

真樹「俊平君」

俊平、真樹に缶コーヒーを投げる。

真樹、受け取る。

真樹「温かい。ありがとう」

真樹、両手で缶コーヒーを持ち、温まる。

真樹、寒さでくしゃみをする。

俊平、上着を脱ぐ。

上着の下には、真樹があげたTシャツを着ている。
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