季節外れの雪
真樹「あ、その服、着てくれたんだね」

俊平「ああ、せっかくだしな」

真樹「ありがとう。着てくれないかと思ってたから」

俊平「ほら、これ着ろよ」

俊平、真樹に上着をかける。

真樹「え、いいよ。俊平君が風邪ひいたら、悪いし」

俊平「いいって、着ろよ」

真樹「・・・ありがとう」

真樹、上着を羽織る。

真樹「何か、私、さっきから、ありがとうしか言ってないね」

俊平「そうだな」

真樹「俊平君。どうして突然、店辞めちゃったの?私のせい?」

俊平「・・・」

真樹「私が余計な事、色々言ったから」

俊平「ああ、あんたのせいかな」

真樹「やっぱり。ごめんなさい」

俊平「あんたにココで出会わなかったら、何も変わらなかったんだろうな。ココ、あいつが好きだった場所なんだ。ココから見る朝日すごくきれいで」

真樹「・・・」

俊平「俺忘れてたよ。あんたに会うまでは」

真樹「えっ」
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