季節外れの雪
真樹「あっ」

真樹、走って俊平に近づく。

真樹「あー」

俊平、真樹に気付く。

俊平「・・・」

真樹「あ、あの時の方ですよね?」

俊平「・・・」

真樹「ほら、あの朝、あの土手で」

俊平「朝の土手?」

真樹「はい。私の前見てなくて、あなたにぶつかっちゃって」

俊平「ああ、あの時の」

真樹「あの時はホント、ごめんなさい。私、雪を見てて、だから」

俊平「もう、いいよ」

俊平、真樹から離れ仕事を続ける。

真樹「でも」

俊平「俺、しつこい女嫌いなんだ。他に用がないなら、仕事の邪魔だから帰ってくれ」

真樹「・・・」

店の奥から、おばが出て来る。

おば「俊平君、お客さん?あら、真樹ちゃんじゃない」

俊平「・・・」

真樹「こんにちは、おばさん」
< 3 / 15 >

この作品をシェア

pagetop