季節外れの雪
俊平「・・・」

真樹「町って生き物じゃないから、無機質なんだけど。でも温かいんだよね。って、そ
んな事聞いてるんじゃないか」

俊平「・・・」

真樹「少しは返事ぐらいしなさいよ。そんな暗い性格じゃ、彼女も出来ないわよ」

俊平、それまで以上に厳しい表情になる。

真樹「私、また怒らせるような事言った?」

○花屋(夜)

真樹とおばが閉店の準備をしている。

真樹「ああ、やっぱり怒ってるかな」

おば「大丈夫よ」

真樹「大丈夫って。だって、だって、あの後、何も言わないで言っちゃったんだよ」

おば「仕事に戻る時間だったからでしょ」

真樹「そうだけど」

おば「それに俊平君はそんな事で怒る子じゃないわよ。ちょっとシャイなだけよ」

真樹「もうおばさんは、あの怖い、眉間にシワを寄せた表情見てないから、そんな事言
えるんだよ」

おば「そんな怖い表情したの?きっと、真樹ちゃんの勘違いじゃない」

真樹「勘違いじゃないですよ。ホント、怖かったんだから」

おば「そうなの?」

真樹「そうだよ」
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