窓のない窓際
 
熱い息が絡む。


「み……ずき……ッ」


熱を帯びた女の声が俺の名前を呼ぶ。


首筋に噛み付くみたいにキスを落とせば、女の体は敏感に反応してビクリと痙攣する。


「声、もっと出せば」


耳元で低く甘い声で囁く。


んー……我ながら色っぽいなー、なんちゃって。


うはは。


「みず、き……ッッ!」


カラオケは良い。


密室だし、その上防音室だし。


ラブホと比べたら金もかかんねーからな。


まあ、金は全額いつも女が負担してくれるけど。


とりあえず、ヤるためだけなら絶好の場所だと思う。


そう考えると俺、カラオケは結構行ってるけど、もう何年もカラオケで歌ってない気がする……。


カラオケ=ヤる場所って考えが完全に定着してるっぽい。

 
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