窓のない窓際
 
……なんだよ。


普通、嘘でも「面白かった」って言うもんじゃねーの?


そこまではっきり否定することねえだろ。


ていうか泣いてたじゃん。


あれ感動して泣いてたんじゃないわけ?


あー……もう。


意味分かんねー。


……腹立つ。


「でも……」


長く続いた沈黙を破ったのは水上だった。


俺は目だけを水上に向ける。


「挿入歌はすごく……すごく良かったな……」


水上は前を向いたままポツリと呟いた。



 
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