窓のない窓際
 
「じゃあ、俺そろそろ帰るから。
瑞希くん、梨華のことよろしくね」

「おうっ」


和樹は中腰になって水上と視線を合わせた。


「バイバイ、梨華」


それから、和樹は俺にペコッと頭を下げると、俺たちに背を向けて歩き出した。


その時だった。


「か……和樹……!」


それまでずっと黙っていた水上が、大きな声を張り上げてアイツの名前を呼んだ。


和樹はゆっくり振り返る。


水上がアイツの元に向かって走り出しそうになったから、俺はとっさに腕を掴んでそれを阻止した。


水上が俺の方を向く。


口では何も言わなかったけど、目が必死に訴えていた。


「離して」って。


 
< 165 / 165 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ほっぺた以上くちびる未満

総文字数/28,744

恋愛(その他)59ページ

表紙を見る
微熱48.9℃

総文字数/5,538

恋愛(その他)11ページ

表紙を見る
ラヴシンドローム~意地悪なkiss~

総文字数/86,422

恋愛(その他)214ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop