窓のない窓際
ツレナイ奴
寿也が気の毒そうに笑う。
「……何笑ってんだよ」
「いや、まさか瑞希がフられるなんて思わなかったから」
「は!?
フられてねーよ!
まだ告ってねーし!」
「あー、はいはい、分かった分かった。
あんまムキになってんじゃねーよ、だせーな」
寿也は俺の口を手で塞ぐと、呆れたと言わんばかりに長い息を吐いた。
「でも珍しいな。
瑞希がそんなにへこむなんて。
そんなに水上のことマジだったの?」
「るせーよバーカ……」
これはへこんでるんじゃなくて、予想外の展開にちょっと驚いただけ!
いや、マジだし!
俺がへこむとかないない!
絶対ないっ!