窓のない窓際
狙うと決めたらアピールあるのみ。
俺はめげずに、再び窓際の席に座るあいつの元へ向かう。
相変わらず窓の外へ視線を向けている水上。
俺が近付いても、顔は窓の方を向いたまま。
無視ですか。
少しイラついた気持ちを抑えつつ、机に両腕をついてニッコリ。
「ねー、水上」
名前を呼んだ瞬間、びくりと跳ね上がった華奢な肩。
やっと俺の存在に気付いたみたいに、水上は目をパチクリさせながら俺を見上げた。