窓のない窓際
タンポポの模様があしらわれた、シンプルで小さなオルゴール。
俺は裏に付いていたぜんまいを回した。
ぜんまいから指を離した瞬間、俺を包み込む音色。
「……これだ」
箱の中からゆったりと流れ出すメロディー。
俺はその音に夢中で聴き入った。
穏やかで優しいリズム。
柔らかくて温かい音色。
初めて聴いた曲だ……。
なんていう曲……?
心に溶けていくようなこの曲。
すげー……いい曲。
すげーな……この曲。
心に深く染みていく音が気持ちいい……。
不思議な気分……。