窓のない窓際
買おっかなー……これ。
オルゴールを真剣に見つめている俺を見て、寿也が小さく笑った。
「なあ、じゃーそれ水上にプレゼントすれば?」
「は?
これを?」
俺はオルゴールについている値札に目を落とした。
1500円……。
「安すぎるだろ」
「プレゼントは値段じゃなくて気持ち」
寿也は周りの棚を物色しながら言う。
「どーせ今まで散々失敗してんだから、ダメ元であげてみりゃいーじゃん?」
寿也は商品の花瓶を手に取っていた。