窓のない窓際
邪魔な存在
「っしゃああああ!」
「うっせー」
雄叫びを上げる俺。
ため息をつく寿也。
「だって水上が俺の名前覚えてくれたんだぜ?
「宮本くん」って……!
あー、くそ!
めちゃくちゃ可愛い!」
「ハマってんなー……。
瑞希らしくない……。」
オルゴールをあげた日から、水上は少しずつ俺と話してくれるようになった。
相変わらず、席に座って無表情に窓の外ばっか見てる水上だけど、俺が話しかけるとちゃんと話してくれるし、たまに笑ってくれる。
こないだなんか、あのオルゴールの曲が入ったCDを貸してくれた。
「本当にいい曲だよね」って笑った水上が可愛くて……。
ダビングさせてもらったCDを毎晩聴いては、あの笑顔を思い出してニヤケてる俺。