窓のない窓際
そして、俺にはある日課ができた。
「あ、寿也!
ちょっと待ってて」
「……また今日も?
お前も飽きねえな……」
道端にしゃがみ込む俺。
登校途中にタンポポを摘むのが最近の日課。
「瑞希にタンポポとかまじ似合わねーんだけど」
「俺に似合わなくても水上に似合うんだよ。
あいつ、タンポポやると喜ぶから……」
タンポポを寿也の目の高さまで持っていく。
タンポポと俺を見比べて、寿也は小さく笑った。
「お前に似てるじゃん」
「は?
タンポポと俺が?」
「頭の色おんなじ」
「えー?
俺こんなに色明るいか?」
タンポポと俺が似てる、か……。
なら、水上ってタンポポ好きだし、俺のことも好きになるんじゃね?
なんてな。