窓のない窓際
長い長い一日の終わりを告げる鐘が鳴った。
ホームルームが終わると、一斉に教室から人が出て行く。
「やっと帰れるな」
寿也がダルそうに首をポキポキ鳴らす。
「瑞希、今日部活行く?」
「あー……行かね」
「ふーん……。
なら俺も行かね。
じゃあ早く帰ろうぜ」
「おう。
あ、でも俺、ちょっと職員室に用事あるから待ってて」
「えー……。」
「五分!
五分で戻るから!
待っててトシくん」
俺は寿也の肩をポンッと叩いて職員室に向かった。