窓のない窓際
提出し忘れていた数学の課題を片手に廊下をバタバタと走る俺。
提出期限は一週間前。
とりあえず、提出しようって意欲だけは認めてもらいたい。
担当の先生に頭を下げつつ渡すと「期限切れの課題なんて、本当は受け取りたくないんですがね」なんてイヤミを言われたりして。
「すみません」って口では言っといたけど、腹ん中では「死ねハゲ!」って叫んだ。
職員室の扉をバタンと勢い良く閉めて、ささやかな反抗。
「やべ、八分も経ってる!
寿也キレてるかも」
職員室に向かう時よりも速く走って教室に向かう。
「あ!」
教室に戻る途中、俺は見慣れた美少女とバッタリ遭遇した。