窓のない窓際
俺は今起こったばかりの出来事を寿也に話した。
「ほんと何だよあの女ー!
俺のこと睨み付けやがって!
俺が何したってんだよー!」
「あー……それアレだ。
ただ単に嫌われてるんだわ。
微妙だもんな、お前の評判。
“かっこいいけど女たらしでマジきもい死んで”みたいな……」
「おい。
最後のなんだ。
最後のお前の感情だろ」
俺は寿也の足を蹴る。
寿也はそれをかわしてケラケラ笑った。
……まあ確かに、一年で同じクラスだった時、笹岡に嫌われてるのは気付いてたけど。
だからって邪魔することはねーだろ。
俺、やっぱり嫌いだ、ああいう女。