窓のない窓際

デート

 
最近、水上、元気ねーな。


俺は机に頬杖をつきながら、ぼんやり考えていた。


「……と!
……やもと!」


どーしたんだろーなー……。


体調でも悪いのか?


「宮本っ!」

「へ?」


顔を上げたら、目の前に鬼みたいな顔したジジイが立っていた。


「宮本!
お前さっきからずっと窓の外ばかり見て、そんなに授業が退屈か!」

「え!?
い、いや!
ちゃんと聞いてました!」

「ほう。
ならこの問題、黒板にでて解いてみろ」

「えー!?
や、無理無理無理!
ていうかどこ!
どの問題!?」

「ん~?
どうした?
授業ちゃんと聞いてんじゃないのか?」

「……と、解きます」


最近、授業中も水上のこと考えちまうようになった。


おかしい、俺。


いつもの俺じゃない。


 
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