窓のない窓際
“問3の(A)”
紙には綺麗な字でそう書かれていた。
「これって……!」
水上はシーッと口に人差し指を当てて照れくさそうに笑った。
め……女神!!!
俺は即席で解いて、問3の(A)の答えを黒板に書いた。
「正解。
なんだ、お前ちゃんと聞いてたのか」
ジジイが赤いチョークで丸をつける。
涼しい顔で自分の席に戻ったけど、内心は焦りまくりだった。
水上に教えてもらえなかったら答えらんなかった……。
「水上……」
水上の後ろ姿を見つめた。
……さっきの照れ笑い、可愛かったな。
水上の笑顔を思い出して、思わずにやけた。
慌てて緩んだ口元を両手で隠す。
「どーしたんだ俺……」