窓のない窓際
しつこく迫る俺に水上はただ困惑の色を浮かべる。
何度説得してもかたくなに首を横に振る。
「とにかく、本当にごめんなさい。
気持ちだけで嬉しいから」
……なんだよ。
そこまで拒否ることないじゃん。
この俺がこんなに誘ってやってんのに。
つーか、自分からデートに誘うのなんて初めてなんだけど。
あー、なんかイライラしてきた!
「ぐだぐだぐだぐだうっせー!」
俺が叫ぶと、水上はビクッと体を震わせた。
驚いた表情で俺を見上げる。
「日曜日!
10時に駅前のアイスクリーム屋の前で待ち合わせ!」
「え……!?」
「絶対来いよ!
来るまで待ってるからな!」
「ちょ……宮本くん……!」
水上が何か言いかけてたけど無視。
俺は自分が言いたいことだけ言って自分の席に戻った。