窓のない窓際
 
そして、待ちに待った日曜日。


「……来ない」


携帯で時間を確認してため息をついた。


待ち合わせ場所に着いてから、かれこれもう30分近く経っている。


といっても、待ち合わせ場所に1時間前に来たから、約束の時間まであと30分ある。


……って!!!


「どうしたんだ俺────────ッ!!!」


道行く人がみんな一斉に俺を見る。


だって、だって、だって!


俺が約束の時間前に待ち合わせ場所に来るのなんて初めてなんだよ!


いつもは時間ギリギリか、最悪1時間遅刻とか余裕なのに!


なんでだ!


なんでなんだ!


なんで俺が女を、しかもこんなハラハラしながら待たなきゃなんねーんだよーっ!


「宮本くん……?」


ハッと我に返った。


この声は……!?


勢い良く振り返ると、そこには……。


「水上っ!」


 
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