窓のない窓際

　
「水上、そこまで俺といるのが嫌なわけ？」


俺は水上を見た。


「え……？」


「俺のどこが気に食わねえの？」


水上は少し驚いたような顔をして、それからチラッと笹岡の方に助けを求めるような視線を送った。


「あの……そういうことじゃないんだけど……でも……」


水上はしゅんとうなだれて下を向く。


……なんだよ。


俺のこと嫌いなら嫌いだってハッキリ言えばいいじゃねーか。


「そういうことじゃないんだけど……」なんてあやふやにごまかしやがって。


「もういい」


俺は水上に背を向けた。


「あの……宮本くん！？」

「俺もう行くから。
じゃあな」


言葉が素っ気なくなったけど仕方ない。


俺は水上に背を向けたまま歩きだした。