機動装甲Ⅲ
PHASE01
茜
「え?」
メカニックが問いかける。
「アサルトカスタムの脱出装置を取り外せ?」
「そうよ」
コンロット社宇宙輸送艦のAMハンガー。
無重力状態で浮遊したまま、私はメカニックに頷いて見せる。
「撃墜されても脱出できる…その安心が油断を生む。被弾すれば確実に死ぬ…そのくらいの覚悟をもっていないと倒せないのよ、あの男…帝真紅郎はね」
私の決断に迷いはない。
敢えて退路を断つ。
そのくらいの気がなければ、彼を討つ事は出来ない。
私はその為にコンロット社についたのだ。
「しかし、メカニックとしてそれは聞けません。メカニックは機体を万全の状態に整備するのが任務です。それを、脱出装置を取り外すなどという不完全な状態で…」
「いいではないか」
食い下がるメカニックの言葉を制して、レイカーが無重力のAMハンガーを舞った。
「本人がそうしたいというのだ。好きにさせればいい。彼女にはその権限を与えている」
そう言って彼は私の顔を見た。
「『自分の意思で脱出などできない』…そういう状況下に己を追い込みたいのだろう?」
「…ええ」
私は頷き、目の前のプラチナシルバーの機体を見上げた。
メカニックが問いかける。
「アサルトカスタムの脱出装置を取り外せ?」
「そうよ」
コンロット社宇宙輸送艦のAMハンガー。
無重力状態で浮遊したまま、私はメカニックに頷いて見せる。
「撃墜されても脱出できる…その安心が油断を生む。被弾すれば確実に死ぬ…そのくらいの覚悟をもっていないと倒せないのよ、あの男…帝真紅郎はね」
私の決断に迷いはない。
敢えて退路を断つ。
そのくらいの気がなければ、彼を討つ事は出来ない。
私はその為にコンロット社についたのだ。
「しかし、メカニックとしてそれは聞けません。メカニックは機体を万全の状態に整備するのが任務です。それを、脱出装置を取り外すなどという不完全な状態で…」
「いいではないか」
食い下がるメカニックの言葉を制して、レイカーが無重力のAMハンガーを舞った。
「本人がそうしたいというのだ。好きにさせればいい。彼女にはその権限を与えている」
そう言って彼は私の顔を見た。
「『自分の意思で脱出などできない』…そういう状況下に己を追い込みたいのだろう?」
「…ええ」
私は頷き、目の前のプラチナシルバーの機体を見上げた。