機動装甲Ⅲ
PHASE02

宗方

艦は宇宙空間を順調に航行している。

グリフォンの艦速(あし)は速い。

宇宙輸送艦程度の速度ではとても逃げ切れはすまい。

私の予測通りに行けば、そろそろ連中の尻尾に食いつける筈なのだが。

「艦長」

オペレーターのレノン・マリアーナ少尉が言う。

「大型艦の熱源を捕捉。距離五千です」

「識別は?」

キャプテンシートに座ったまま、私は言った。

「…識別出ました、コンロット社宇宙輸送艦。恐らくミハエル・レイカー機と白金茜機を回収した艦と思われます」

「どうしますか艦長」

操舵士のカイゼル・スター軍曹が振り向いて指示を仰ぐ。

…しばしの黙考の後。

「機関最大。これより本艦は前方宇宙輸送艦に接触を図る。艦内第一種戦闘配置、AMは出撃準備を」

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