機動装甲Ⅲ
歯噛みしていた所へ、別の通信が入る。

AMハンガーの帝君…いや、帝少尉からだ。

「機体の出撃準備が整った。指示を」

「艦長」

マリアーナ少尉が私の方を振り向き、私はただ頷く。

「ソルジャー、カタパルトデッキへとスタンバイして下さい」

この指示で、帝少尉は機体の脚部をリニアカタパルトにドッキングさせる。

Mk―Ⅱは修理が間に合わず、今回は量産型のソルジャーでの出撃と報告があった。

一抹の不安がよぎるものの、ここは帝少尉に任せる他ない。

「カタパルトスタンバイ。出撃タイミングをソルジャーに譲渡」

マリアーナ少尉の声で、カタパルトのソルジャーが前傾姿勢をとった。

「I have control。帝真紅郎、ソルジャー出る!」

リニアカタパルトが凄まじいGと共に機体を加速させ、弾丸のように射出する!

出撃。

帝少尉の駆るモスグリーンのソルジャーが、漆黒の宇宙へと飛び出していった。



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