機動装甲Ⅲ
「茜!」

通信機から真紅郎の声が聞こえる。

「脱出しろ!」

「……」

無茶な注文だ。

私の機体の脱出装置は取り外されている。

今から呑気にコクピットハッチを開けた所で、爆発に巻き込まれるだけだろう。

あと十秒もしないうちに、機体は爆発する。

…真紅郎に対する憎悪はなかった。

敗北した瞬間に、復讐に駆られていた私は死んだ。

そして今から、白金茜という存在も、この世から…。

そんな事を考えていた矢先だった。

「!?」

コクピット内に小さな爆発。

同時にコクピットハッチが吹き飛ばされ。

「!!!!!」

私はコクピットブロックごと、宇宙空間へと放り出された!

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