機動装甲Ⅲ
俺より先に、茜がその声に反応する。

「レイカー!?貴方、何をしたの!?」

「君は『自分の意思で脱出などできない』ようにしろと言っただけだ。だから君ではなく、私の意思で脱出できるように改良しただけだ」

その通信と同時に。

「!」

ソルジャーのコクピット内に警告音が鳴った。

熱源1。

近づいてくる。

識別は…不明…!

しかし、乗っているのは間違いなく『暁の死神』ミハエル・レイカー少佐だ。

俺はレーダーを確認し。

「あれか…!」

高速で接近してくる朱色の機体を主モニターに捉えた。

五本の角状アンテナを持つ頭部、ドラグーンと同じ単眼。

重量感のあるフォルムでありながら、大型スラスターを装備しているせいで、その速度はソルジャーMk―Ⅱを明らかに凌駕していた。

何より目を引くのが、その手に握る大型火器。

バズーカ?

重ビーム兵器?

何にせよ、その凶悪な外見に見合った破壊力を持っているのは間違いあろう筈がなかった。



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