機動装甲Ⅲ
爆発がおさまり、シグムンドは転進する。

「今のは挨拶代わりのクラスターランチャー『グラム』だ…帝真紅郎…今、君は愛機に乗っていない。それ故にこちらも仕留める事はしない…本気を出すのは、互い五分の条件の時のみだ」

そう言い残し、英雄の名を冠する機体は信じがたいほどの高速で宙域を離脱する。

「くっ…!」

俺は今にも誘爆しそうな機体で茜のコクピットブロックを抱きしめたまま、歯噛みするしかなかった。













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