機動装甲Ⅲ
「本来ならば」

艦長は椅子を立つ。

「このまま軍刑務所にでも送致され、然るべき措置を受けてもらう所ではあるが、君は軍属ではない。今回は艦内独房にて一週間過ごしてもらう」

「!」

茜は顔を上げた。

「それだけ…ですか…?」

「そんな訳はなかろう」

宗方艦長は厳しい表情を見せる。

「一週間後、君は戦時特例により本艦の少尉として、グリフォンのAMパイロットとしてコンロット社討伐任務についてもらう」

「!!」

その処遇に、茜は驚きを禁じ得ない。

無論、甘すぎる処分だ。

思うに、宗方艦長が裏で相当骨を折ってくれたものと思われる。

やはり好々爺としての顔の方が、この人の真の顔か。

俺は内心笑みを浮かべるのだった。


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