機動装甲Ⅲ
俺は茜に背を向ける。

「終わらせる。俺達の手でだ。いいな、茜」

「…わかったわ」

やっと彼女に、穏やかな笑顔が浮かんだ。

それを確認した上で、俺は艦内通路を歩く。

「茜、独房から出てきたら、お前はMk―Ⅱに乗れ。プラチナシルバーに塗り替えるようにマッカートニーに頼んでおく」

「え…?」

さっき浮かべたばかりの笑顔が困惑の表情に変わる。

「どういう事?私がソルジャーMk―Ⅱに乗るの?だったら真紅郎は…」

「俺は」

無重力の通路を、床を蹴って浮遊しながら進む。

「後継機に乗り換える」





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