機動装甲Ⅲ
渡されたカタログに目を通す。
CAM-002 シグムンド。
北欧神話およびゲルマンの叙事詩に登場する英雄の名を持つAM。
「頭部メインカメラこそドラグーンと同じ単眼ですが、他は全くの新設計…白金茜には申し訳ないが、アサルトカスタムすらシグムンドの性能の前ではかすみます」
メカニックの言葉には、愛息を自慢するかのような色すらあった。
機体にかぶせられたシートの隙間から、辛うじて頭部が見える。
頭部には中央に一本、左右に二本ずつ、計五本の角状のアンテナが配置されている。
指揮官機に相応しく、通信系統が強化されている証であった。
「機体速度も尋常じゃないですよ…あのソルジャーMk―Ⅱをも上回る飛行速度…ただしそれ相応の負荷も覚悟していただく必要があります…最大12G…少佐でなければとても薦められない機体だ」
「願ってもない」
私は不敵に笑った。
「それくらいでなければ、私の愛馬は務まらん」
CAM-002 シグムンド。
北欧神話およびゲルマンの叙事詩に登場する英雄の名を持つAM。
「頭部メインカメラこそドラグーンと同じ単眼ですが、他は全くの新設計…白金茜には申し訳ないが、アサルトカスタムすらシグムンドの性能の前ではかすみます」
メカニックの言葉には、愛息を自慢するかのような色すらあった。
機体にかぶせられたシートの隙間から、辛うじて頭部が見える。
頭部には中央に一本、左右に二本ずつ、計五本の角状のアンテナが配置されている。
指揮官機に相応しく、通信系統が強化されている証であった。
「機体速度も尋常じゃないですよ…あのソルジャーMk―Ⅱをも上回る飛行速度…ただしそれ相応の負荷も覚悟していただく必要があります…最大12G…少佐でなければとても薦められない機体だ」
「願ってもない」
私は不敵に笑った。
「それくらいでなければ、私の愛馬は務まらん」