機動装甲Ⅲ
更にカタログに目を通す。

その中の一文に私は目を細める。

「お気づきになりましたか?」

笑みを浮かべるメカニック。

「『グラム』…これがこの機体の武装の名か」

「英雄シグムンドに相応しい装備でしょう?もっとも…このシグムンドが振るうのは聖剣ではありませんがね」

更にカタログを熟読する。

Sフィールドも装備し、飛行速度はMk―Ⅱをも上回り、武装は単機で一個大隊をも殲滅できるほどの火力。

「よくぞここまで…コンロット社の技術屋魂、しかと受け取った」

カタログを閉じ、改めて機体を見上げる。

「今度は私が応える番だ…君らのその情熱にな」

知らず、体が震える。

武者震いという奴だった。

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