【長編】ホタルの住む森
甘い吐息が漏れ僕の理性を狂わせる。一気に加速する想い。
強まる雨音が二人の息づかいさえもかき消し、茜の声は雨に吸い込まれる。
僕を見つめる茜は、この世のものとは思えないほど綺麗だった…。
遠くから地響きのような雷の音が近付いている。
遠くで稲妻が光るたび雨音は強くなる。
拝殿はすでに雨の熱いカーテンで覆われ、外の様子は窺い知る事は出来なくなっていた。
「あ…きら…ダメ……
こんなところでキスしたら神さまが…怒る…よ…」
―――あぁ、そうだなここは神社だったんだ。
ならば今、永遠の愛を神の前で誓おう。