【長編】ホタルの住む森
ゆるいスロープのなだらかな丘の上に私たちの新居はあった。
晃の祖父の住んでいた家で今までは、晃が独りで住んでいた。
ここで私たちは共に時を刻みだす。
春には一面の花畑、夏には降るような星空がとても綺麗で、宇宙を独り占めした気分になるこの丘が私は大好きになった。
晃と共に過ごす時間はとても緩やかに、穏やかに過ぎてゆく。
私はひと針ひと針思いを込めて、真っ白な布地に銀の糸で刺繍を施してゆく。
真っ白な絹に咲く小さなの銀のバラ。
あなたへの永遠の愛を縫いとめるようにm毎日すこしづつドレスを仕上げてゆく。
私たちはとても幸せだった。