【長編】ホタルの住む森
パイプオルガンの荘厳な音楽が流れる中、私はゆっくりとバージンロードを歩き出す
18年前の今日、私は生を受けた。
楽しい事も、哀しい事も、辛い事もたくさんあった。
生まれてきたことを後悔した事も、恨んだ事もあった。
――バージンロードの向こうにあなたの笑顔が見える…
だけど、私はあなたに出会う事が出来た
あなたに出会って、見るもの聞くもの全てが輝きをもち始めた。
眠っていた私が目を覚ますように、あなたに導かれて私は変わっていった。
――一歩一歩近付きゆっくりとあなたの傍に立ち…
愛することを教えてくれたあなた。
護る事をおしえてくれたあなた。
信じる事を教えてくれたのも晃、あなたです。
――あなたの差し出す手にそっと手を重ねる…
あなたに出会えてよかった。
あなたを愛してよかった。
――ステンドグラスの柔らかな光がやさしくさしこむ中、愛の誓いを告げる…
――病める時も健やかなるときも・・・神父様の声が耳に心地よい…
晃、あなたを永遠に愛することを誓います
――あなたが私のベールをあげる…
――誓いの口付けが降りてくる…
刹那の幸福が永遠になるとき
ここから、あなたとともに歩む新しい人生がはじまる。
++ 刹那と永遠の幸福 Fin ++